混混天團


学校が始まって大変大変と言いながら、こういう予定はばっちりこなしている相変わらずの私ですが。


大っっ好きな范逸臣が主演ということで、製作中から待ちに待っていたこの映画、思いがけずエキストラ出演までしてしまった「混混天團」ですけれども、台湾では4月23日(金)から無事上映開始とあいなりまして、(当然のように)初日!に鑑賞してきました。
一人初日に盛り上がって、ものすごくうきうきそわそわしていったそんな雰囲気の日記になるやと(笑)。


常々徒歩圏の近所にある映画館を利用している私ですが、この映画、そこでは上映予定なし……。せっかくの機会だから久しぶりに台湾の映画街、西門町に行ってみようということになりました。


平日朝の西門町はまだまだ静か。当日は雨。今「けいおん」って台湾でテレビ放送されてたんだー。……とはいえ、たびたび話題に上っているのは見るけど、けいおんのこと、よく知らないんですが(笑)。



6号出口すぐ脇に香港のジーンズブランド"Tough"のショップが。
今年のイメージキャラクター(代言人)を范逸臣が務めております。よくラッピングバスを見かけるんだけど、なかなか写真に収められないでおります。とってもロックなテイストのお洋服なので、私が買えるようなものは……あまりないなあ。



海角七号」を見た方、このビルにピンと来るかしら。そんな方はかなりの「海角」通(笑)。
オープニングで阿嘉が台北を去るときにチラッと映るスポットですね。

この日の映画館はこの裏手。絶色戯院というところ。やや古いですが、スクリーンの数が多いらしい。西門町は鑑賞料金も最近できたシネコンよりはややお安め。午前中の早場で200元(約600円)なり。



上映開始日のなかでは第一回の上映になると思われるこの回。スクリーンは170人程度とやや小規模かしら。上映15分前にはお客さん20名ほど。午前中だし、初日でもこんなもんなのかなあ……とがっくりしていたら、どんどんお客さんが増えて、あれよあれよというまに満席になりました。ああ、よかった……。


映画は「好笑」なお話。黒道くずれの男とメジャーデビューを目指すバンドのボーカルがであって巻き起こるどたばたなんですが、范逸臣ファンには彼の音楽があふれていて、それだけでたまらない映画です。范逸臣、阿龍という酷愛楽団を編成した二人はもちろん、ライブでバックバンドを務める「就是帥」の3人も、一生懸命演技していました。


范逸臣、新たにロックテイストの「酷愛樂団-Craze」を編成して、今までの「情歌王子」のイメージは完全に払拭してしまったわけですが、その新たな彼らの音楽を銭人豪監督が大いに評価してくれて、その音楽を軸にした映画まで作ってもらえて、きっとうれしいことだろうなあ、と。
ちょこっとネタバレてしまいますと、范逸臣、デビュー曲の「I believe」を歌い、沈黙……「俺はバラードなんて歌えない!」なんていうシーンがありまして、ニヤリ。劇中の歌が主になっている新しいミニアルバム「初生之犢」が発売されましたが、彼の「これが本当にやりたかった俺たちのサウンドだー!!」という気概がビシバシ伝わってくる1枚になっていましたよ。


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現在ヘビロテ中。


中の1曲「Rock boys」


いやもう、思わず体が動いてしまいます。
彼のよく伸びる声が遺憾なく発揮された聞いていても気持ちのよい曲がいっぱい。そんな映画なんで、范逸臣ファンとしては、上映中に機会あればまた見に行ってしまおうと思っております。はい。


あ、エキストラ出演シーン、全然私が出ているなんてわからなかった!からお友達も誘ってみようっと。*1

*1:やっぱりこれを確かめておかないことには、安心して「一緒に行こう」って言えないんでした

「海角七号 君想う、国境の南」DVD発売決定

マクザムさんのサイトで紹介されてました。いよいよ日本語字幕のついたDVDの発売です。6/25予定。レンタルにも1週間遅れで入るようです。

◆マクザム 海角七号DVD特設ページ
http://www.maxam.jp/kaikaku7/


一目見て。


高い



なんて思ってしまうのは、台湾でDVDを買いなれてしまったせいですね。正規版でも400元(1,200円)くらいで買えますからね……。


それでも特典でつくDVDも台湾版のものとほぼ同じのようですし、台湾版のおまけは字幕がなくて(中国語のすら)非常に苦労した身としては、ちょっと見てみたい。吹き替えも付くようですね。字幕でも難しかった台湾語と北京語の入れ替わりが吹き替えだとまったくわからなくなってしまうんだろうけど、音声ガイド付き、ということですから、より広くいろんな人に見てもらおうという工夫なんでしょう。私もほんと、まだまだ多くの人に見てもらいたいですよ。
これで劇場にいけなかった人も映画を見ることができますね。


しつこいようですけど、できるならばスクリーンで。全然違いますから。また渋谷でも上映されるようですし、地方ではこれからというところも。長らく映画館から離れている方もこれを機会に足を運んでいただければ。


◆5/20追記

海角七号/君想う、国境の南 [DVD]

海角七号/君想う、国境の南 [DVD]

おおお。商品ページにリンクが貼れるように。
アマゾンにて予約開始です。HMVでももう注文できますよ。

台湾でほしい人にどんどん声をかけられて、すでに5本も注文する予定なんですが、まだまだ増えるのかしらん。

2010桐花 飛牛牧場

ようやっと学校が通常授業(ではあるけれども母行事もまだまだ続く)になり、ほっと一息つける時間も増えてきたような。とはいえ、やはり新一年生は大変ですな。いろいろふんばって不安がいっぱいみたいなので、それはそれで母としては気の休まらない状態が続いてます。


よく考えてみると、春節の旅行、まだ高雄から帰ってきてない状態なんですが(もしかしてあのあたりのことを楽しみにしている人がいたらすみません)、まあ、遅れついでと言いますか、ウォーミングアップもかねて先週末行ったところを先にご紹介することにします。


今年も台湾の桐花の季節到来。台北近郊はまだそれほどでもないのですが、南の方から徐々に満開になっている様子。
開花状況はこちらのHPで確認できます。


◆2010客家桐の花祭り
http://tung.hakka.gov.tw/jpn/status.aspx


今時台湾に来る方は、桃園空港から台北に向かうとき、高速道路の両脇に白い花が山にかぶさるように咲いているのを見られると思います。「四月の雪」とか「五月の雪」とか呼ばれているんだけれど、雪のない台湾の緑の山々に明るい白が映えて本当にきれいです。
そうそう、去年「桐の花と客家の関係って?」と融解しなかった疑問。宿題にしていたんでした。少しずつ調べてみたことによると、客家の入植地域というのは、海近くの平地ではなく、少し山間に入った地域が中心であり、そういった地域に油桐を多く植えて育てて、客家経済を支える重要な資源にしていたみたいですね。だから毎年行政院の客家委員会が主催してお祭りをするのですな。


去年は土城に行ってみたんだけれど、もっとお出かけっぽくもう少し遠くに行ってみたいなあ……と思って、苗栗の方へ向かってみることにしました。苗栗の周辺は客家地域なのでより「本場」っぽいかな……なんて。周辺に遊べそうなところを探してみると、地図の上に「飛牛牧場」という文字を発見。これなら子どもたちも楽しいかな、と大変安直に行き先決定。


◆飛牛牧場
http://www.flyingcow.com.tw/

台北ナビさんの紹介記事はこちら
http://www.taipeinavi.com/play/361/article/

牛乳風船から顔を出した牛さんがお出迎え。
風船プリンが有名らしいんですよ。

 


風船の牛さん柄が台湾と北海道なのはなぜ?


広そう。


のどか〜な感じで動物もいっぱい。マザー牧場っぽい?*1


餌付けの場所がいっぱいです。山羊にはとうもろこしを、うさぎには地瓜葉(さつまいもの葉っぱ)を10元から20元で購入してやることができます。子どもたちは普段動物に近寄らないのにこういうときには率先してやりたがる。ですが、山羊の力は強くて、大人でも負けてしまうくらい。


水辺にお目当ての桐花が。
 

こうして時々額ごとひらひらっと花が落ちてくる様も雪のよう。


台北ナビさんの記事にもあるように、そもそも蝶が有名な牧場らしいんですが、園内マップによると蝶々館はこんな道の先。ヘタレな子どもたちに強烈に怖がられ、行かないで終わりました。まだまだ距離があるようだったから、本当に広いんだなあ。



牧場特産のソフトクリームやらチーズやらも販売所でたくさん売ってます。台北の大きいデパートで販売しているところもあるようです*2。我が家はチーズケーキと焼きプリンを持ち帰り、アイスクリームを現地でいただきましたが、濃厚でおいしい……プリンはカスタードではなくチーズをつかったプリンだったみたい。普段食べているものと一味違ってこちらもおいしかった。


 乳製品で思い出しましたが、入場者にはもれなく乳飲料をプレゼント。
この写真は麦芽の入った牛乳。このほかに原乳もありましたよ。



ちょっと桐の花を見たりない、ということでガイドブックで見つけた「油桐花坊」ってところに足をのばしてみよう、とこのあと無理を重ねてみました。


◆油桐花坊(音声付)
http://www.yeze.com.tw/tung/html/page.htm


一本の大きな株の油桐を中心にすえたカフェと民宿が併設してあるお店です。この時期ものすごく混んでます。そして、車がすれ違えないほどの農道の奥の方にあるので、とても行きづらい。しかも、ここにたどり着くまではきれいな油桐が山の合間合間に見えたのに、いざ到着したら肝心の花が終わりかけ。
すでに閉店間際。しかもコーヒー一杯でも250元(750円)するって言うんですよ!!もう、いいです……と写真だけ撮っておきました。


  

客家伝統の布を配したとても雰囲気はよさそうなお店だったんですけどね。


そしてまた、帰り道は上ってきた道の裏を回るように降りていったんですが、これがまた大変な山道でした……でも、そのかわりとってもきれいな桐花がたくさんみられたんです。ただし、車が止められないような細い道だったので、まったく写真が撮れなかった(笑)。目にだけしっかり焼き付けて帰ってきました。


台北の近郊ではこれから盛りになることと思います。花の期間も長めだし、この時期台湾にいる方はぜひ桐の花見を楽しんでみてください。

*1:と言ってみるものの、マザー牧場なんてもう30年来行ってない

*2:天母の高島屋三越にヨーグルト飲料と白プリンがありました

「海角七号 君想う、国境の南」

さて。こんなにも「海角」「海角」と言いまくっている私が日本に帰り、「海角七号」を見に行かないなんてことがあるでしょうか……


と言いたいところなんですが、映画館に行く日をばっちり決め込んで、子どもたちにもバーターの映画を見せ*1、準備万端、さあ待ちに待ったこの日!!と出かけたところ、上映中に下の子が強烈なじんましんを発症させまして、映画の2分の1しか見られないというトホホな事態になってしまいました。映画館の中が暑くてかゆみがましてしまったようなんですよね。残念。


2分の1だけ見られた日本語字幕付の「海角七号」はどうだったかというと、なんだか字幕が私が思っていた訳と違うみたい。それは私の中文能力が悪いのか、字幕の文字数の制限のせいなのか。聞いていたところでは、台湾語の部分ではもっと激しくスラングを使っているようなんですが、かなり大人しい丁寧な訳語を使ってましたね。
台湾語には字幕の前に「・」をつけるという工夫もしてありました。
それで台湾の豊かな言語環境の一端でも日本の鑑賞者に伝わっていたら幸いだなあ。視覚情報だけでは言語の切り替わるところそのものの面白さが伝わりきらないかなあ……なんてことも頭をよぎりました。話合いの場で一生懸命になって友子の前で思わず台湾語でやり取り、友子が疎外感を感じたり、ドラムのカエルくんが、普段は台湾語を使っているけれども、重要な話をするときには國語にならざるを得ない……なんていうシチュエーションで、彼が外省人二世であることをほのめかしていたり、鑑賞する上で言語がとっても重要な映画なんですよね。


感動のラストシーンは見ることができず、肩を落としながら帰ったのですが、頭の中で反芻しつつ、この小さい台湾島の上にある複雑な民族と伝統と文化と、それが調和したときに織り成す美しい虹のことを考えながら、思わず電車の中で涙してしまった一日でした。


今は地方での上映を中心に行われているようです。DVDで、と考えている方もいらっしゃるのかもしれませんが、この映画、スクリーンで見ることをまずお薦めいたしますよ!まだまだチャンスのある方はぜひに。

帰台


3週間の日本帰省は終わり、子どもたちの新学期に向け台湾に戻りました。まる2年台湾で生活し、1年ぶりの日本。長年暮らしたところとはいえ、さまざまなことに慣れず、戸惑い、いよいよ慣れてきたかなあと思った頃にはまた台湾に舞い戻りです。


どんなことに当惑してたかなあ……

・小銭が小さい
台湾は10元(30円相当)も日本の500円玉クラスの大きさ&重量なので手で触った感覚に違和感が。うまくお金の勘定ができず、ついつい札を出しつり銭が増え、小銭増殖の悪循環に。


・テレビのチャンネルが少ない
100チャンネルもある台湾が多すぎるのか(笑)


・支払いのときの店員さんとのやり取りが長い
多分やり取りしている内容は大差ないんですが、「袋はご入用ですか」は「要袋子嗎?」、「○○円のお預かりです」は「収你○○塊」……などなど同じ情報をもっと短い時間で伝えられるのですよ。中国語は。台湾のテンポに慣れてしまって、日本の支払いがえらく冗長に感じられるようになってしまいました。


・道路をぼんやり歩いても結構平気
いや、台湾では襲われるとかではなく、交通が危険なのと、道路に犬の落としものがかなり多く、気を抜いて道を歩くとかありえないのです。日本ではかなりぼんやりと歩いてましたね(笑)。


・切符の買い方が複雑
もっとすっきりできないものなんでしょうか……


とまあ、いろんなことにおろおろしながらの毎日でしたけど、食べなれた料理や味はやはり懐かしく、家族みんなだいぶ丸くなって帰って来ました。台北日本人学校は始業も日本の学校よりやや遅く、いまだにお休みモードのだらだら生活。早く日常に戻らなくてはと気ばかり焦ってます。


毎年桜の季節に帰れるのは幸いなこと。今年も満開桜を見てから台湾に戻ることができました。本当は私「花見は梅」派なんだけど、やっぱり日本の春って感じがしますものね。ちょっとお天気が悪い日が多く、花の色が冴えない日が多かったけれど。



懐かしいのでかつて住んでいたあたりの道に行ってみました。この道を子どもたちと保育園に通ったんですよねー。この季節は本当に白いトンネルで、ちょっと遠回りして「桜トンネルから帰ろう!」なんてやってたもんです。その子どもたちも今年からとうとう二人とも小学生。台北でどんなことを吸収していってくれるのかな。小さい頃に異国で育つなんていいことも悪いこともあるんだろうけれど、得がたい経験なのだから思いっきり楽しませてあげたいものです。

帰省中

旅日記、台湾にいる間にまとめたーいと思ってたんですが、案の定終わらないうちに、先週の火曜日から日本に一時帰国しています。
たった1年なのに、驚くほど変わっているような、そうでもないような、不思議な気持ち。テレビがとにかくわからないですねー。あと、町行く人たちが何気なく交わしている言葉がすべて意味がわかっちゃうのが、うっとうしいようなこわいような(笑)。


昨日ぶらぶらお散歩していたらヒガンザクラが咲いていました。

  


ぽかぽかあったかくて、春ですね。
今日はすさまじい黄砂で、それもまた春ですね(笑)。

2010春節旅行 その7 南廻公路

運転手であるだんなさんが、「旅行の行きと帰りにどっちも蘇花公路を通るのはいやだ(泣)」というので、今回の旅行は台東からさらに南へ向かい、ぐるっと西側に向かって帰路を取ってみようかということになりました。旅程としては、台湾1周になってしまうんですね。さあ、お初の南の道はどうなっているんだろう。


車からの写真なので、今ひとつ様子が伝わるかどうかですが。


太麻里のあたりは道路からこんな風に海が見渡せて気持ちがいい!道幅も広くて、運転しやすかったみたい……なんですが、そんな箇所はほんの少しで、すぐにまたがけっぷちを走るような道に変化してしまいました(笑)。どっちもおんなじだったね。


太麻里で、遠めに教会が見えたので、集落に接近。


     


教会の名前からすると「香蘭」という集落のようですね。このあたりはパイワン族の人々が暮らす土地。集落の中に、行政院に指定されたモデル部落であるような旨の標識が立っていました。
あ、教会は長老派所属です。……長老派さんの教会はカトリックの教会より、いつも立派で見栄えがするな……とうらやましがってみる。


最後の写真は頭目のおうちだそうで「頭目的家」と赤文字で記されています。
どの家も彩りが鮮やかできれい。独特の幾何学模様も映えるし。


先ほども申し上げましたに、この先は海沿いの崖を走っていき、恒春半島の山間部を越えていく道路。台湾の東側というのは本当にほかの地域からは隔絶された地域なのですね。そこはたくさんの原住民の人々が暮らす土地でした。北から、タイヤル族タロコ族アミ族ブヌン族プユマ族パイワン族……とそれぞれの地域をたどるように走って、その風景を目に焼き付けて来ました。
こちらに来て台湾原住民族にルーツを持つ歌手をたーくさん好きになりましたけれども、その風景を目にしただけで、彼らの歌う歌がまったく違って聞こえるようになったみたい。それは原住民に伝統的な歌曲を歌っている人でも、現代の流行音楽を歌っている人でも、彼らの育った土地の風を感じたら、彼らが歌う歌にはその風のようなものが感じられるというか……表現するのは難しいですね。
だけど、原住民の人々にとって、歌や踊りというのは彼らの信仰そのものであったり、歴史を伝える術であったり、ともかく彼らの存在すべてなんだなということを頭でなく感じ取ることができたというか。


そんなこんなで、台湾の東部を突っ切ることができて、それだけでも大満足でした。今度は「海線」ですね。まだまだこの方面は機会があれば行きますよー。