2010春節旅行 その7 南廻公路

運転手であるだんなさんが、「旅行の行きと帰りにどっちも蘇花公路を通るのはいやだ(泣)」というので、今回の旅行は台東からさらに南へ向かい、ぐるっと西側に向かって帰路を取ってみようかということになりました。旅程としては、台湾1周になってしまうんですね。さあ、お初の南の道はどうなっているんだろう。


車からの写真なので、今ひとつ様子が伝わるかどうかですが。


太麻里のあたりは道路からこんな風に海が見渡せて気持ちがいい!道幅も広くて、運転しやすかったみたい……なんですが、そんな箇所はほんの少しで、すぐにまたがけっぷちを走るような道に変化してしまいました(笑)。どっちもおんなじだったね。


太麻里で、遠めに教会が見えたので、集落に接近。


     


教会の名前からすると「香蘭」という集落のようですね。このあたりはパイワン族の人々が暮らす土地。集落の中に、行政院に指定されたモデル部落であるような旨の標識が立っていました。
あ、教会は長老派所属です。……長老派さんの教会はカトリックの教会より、いつも立派で見栄えがするな……とうらやましがってみる。


最後の写真は頭目のおうちだそうで「頭目的家」と赤文字で記されています。
どの家も彩りが鮮やかできれい。独特の幾何学模様も映えるし。


先ほども申し上げましたに、この先は海沿いの崖を走っていき、恒春半島の山間部を越えていく道路。台湾の東側というのは本当にほかの地域からは隔絶された地域なのですね。そこはたくさんの原住民の人々が暮らす土地でした。北から、タイヤル族タロコ族アミ族ブヌン族プユマ族パイワン族……とそれぞれの地域をたどるように走って、その風景を目に焼き付けて来ました。
こちらに来て台湾原住民族にルーツを持つ歌手をたーくさん好きになりましたけれども、その風景を目にしただけで、彼らの歌う歌がまったく違って聞こえるようになったみたい。それは原住民に伝統的な歌曲を歌っている人でも、現代の流行音楽を歌っている人でも、彼らの育った土地の風を感じたら、彼らが歌う歌にはその風のようなものが感じられるというか……表現するのは難しいですね。
だけど、原住民の人々にとって、歌や踊りというのは彼らの信仰そのものであったり、歴史を伝える術であったり、ともかく彼らの存在すべてなんだなということを頭でなく感じ取ることができたというか。


そんなこんなで、台湾の東部を突っ切ることができて、それだけでも大満足でした。今度は「海線」ですね。まだまだこの方面は機会があれば行きますよー。