2010春節旅行 その5 布農部落

台湾に来る前には台湾の流行音楽などほとんど縁がなかった私です。せいぜい知っていたのは阿妹こと張恵妹の存在くらいでしょうか。彼女にしてもほとんど名前だけ、実際の歌は聞いたことがなかったんじゃないかな。


それでも本場に来れば、もともと音楽聴くのがそこそこ好きな私の耳には流行音楽がじゃんじゃか入ってきます。気になる歌手のバックグラウンドを調べてみると、原住民にルーツを持つ人がなんと多いことか。そんなミーハーな入り口ではあるのですが、こうして台湾原住民の存在、彼らの文化や歴史にすごく興味を持つようになりました。


そうして彼らの歌について調べつつ、ネットを徘徊しているときに見つけたのがこちら。


◆布農部落
http://www.bunun.org.tw/
日本語の説明もありました。
http://www.erv-nsa.gov.tw/user/Article.aspx?Lang=3&SNo=03000148

台湾原住民の一部族、布農(ブヌン)族の伝統ある歌や踊り、工芸、について知ることのできる、テーマパーク的な施設。キャンプ等宿泊もできます。HPを見ていただくとお気づきかもしれませんが「布農文教基金會」という団体の運営になっています。布農族出身の牧師さん夫婦が、困窮するブヌン族に、彼らの自信を取り戻させるため、自身の伝統文化を維持するため、尽力して設立したようです。なので、こちらでの収益はブヌン族の子どもたちの教育基金となるそうです。


台9号線の鹿野から少し山間に入ったところにあります。入り口。

 

いかにもキリスト教らしい言葉も。


中には伝統の織物のDIY、鹿の標的に向かって弓を打つ、なんて子どもたちが食いつきそうなコーナーもありましたが、ママはともかく、劇場へ急ぐ。これを見ずして何しに来たのか、と(笑)。
毎日10:30と14:00、休日は15:30にブヌン族の伝統的な歌やお祭りの様子を劇場で公開してくれています。
ただ、お客さんが少ないと公演がないときもあるようなので、事前に確認されることをお薦めいたします。


ブヌン族は数ある台湾原住民族のなかでも、とりわけ美しいハーモニーが有名なのです。楽理についてはわからない私なのですが、彼らの歌は世界の音楽史を書き換えてしまったなんてことも聞きますよ。


音はよくないだろうなあ、と思いつつもビデオを撮ってきました。








事前に私もyoutubeで見たことがありましたが、いやあ、生は全然違います。思わず涙が。美しいハーモニーですね……


このパフォーマンスのあと、いつもは絶対そんなことを言い出さないうちのだんなさんが「おみやげ、何でも買いたいもの、買っていいよ」と言い出しました。えらく感動してしまったらしい。それに、パフォーマンス中に、住んでいた土地を追われて困窮に追いやられた彼らの話を聞いて、何かできることはしたいって思ったみたい。
台湾原住民にはほとんど興味のなかっただんな様ですが、こうして私が心に抱いていることを少しシェアできたのはうれしいですわ。


東部の風景、私もだんなさんも大好きになってしまったので、また通りかかることができたら立ち寄りたいなあ。賛助会員になるのもいいな。