帯我去遠方 Somewhere I have never travelled

少し前になりますが、久々に映画を見てまいりました。
この映画も今年の台北フィルムフェスティバルでコンペ参加をしており、なかなかの好評を博した様子。監督さんは傅天余(フー・ティアンユー)という女性で、今回が監督デビューとなるらしい。台湾の著名な映画人呉念真がプロデュースしています。


いつものように早場(午前中の上映会)で、割と大きい方の劇場で、お客さん3人くらいのほぼ貸切状態という贅沢な環境で鑑賞してきました。台湾でじっくりゆっくり映画を見たかったら、平日の午前中は実にオススメ。


主人公の女の子は色覚障害を持ち、「みんなが見ているのとは違う世界」を見ている。そして、南太平洋にあるという島民がみな色覚障害を持つという遠い遠い島に憧れている。幼馴染のお兄ちゃんに淡い恋心を抱いているのですが、これがまたどうにもならない…思いなんですな。
また英語字幕がなく、中国語字幕だけだったので、鑑賞にも余裕がなかったのですが(笑)、中に「毎個人都不一様(それぞれの人がみんな違う)」というセリフがでてきて、「みんな違ってみんないい」の世界かなあ…と思いながら眺めてました。


見終わった後に、最初は「あれ?これで終わっちゃったのか…」と物足りない感じがしたのですが、あとからじんわりと映画の余韻がやってきた。特にストーリーに派手さもなく、とても素直な、高校生くらいの女の子のどうにもならないようなやるせない思いがいっぱい詰まったような、そんな映画。主役の游●*1ちゃんが、そんな時期の女の子を好演。なんともいい表情を見せてくれます。


これはまた、カトリッククリスチャンであるからこそ、気になってしまうポイントなのかもしれないんですが、映画の中に一軒のカトリック教会が出てきます。そこの壁画の聖人画や装飾が、中華風のものになっているという、またとても美しい教会なんですね。この教会がどこにあるのか、わかればぜひ行って見てみたい、と思いました。


海角七号」につられて、こういうじんわり台湾映画にどんどん日本語の字幕がつくようになったならいいなあ…と、またしても思います。


◆帯我去遠方 オフィシャルページ(音声付 中文)
http://www.myjourney.com.tw/

*1:●は日へんに斥