練習曲 island etude

何度もお断りするようですが、私は本当に映画というものを鑑賞するなんてことがめったになかった人で、こうして映画の紹介をしてもきっと何かポイントをはずしているに違いない、といつも思います。でも、よかったものはよかったなあ、と記録にとどめておきたいので、思うところを書くことにしよう。うむ。

最近、レンタルDVDで「練習曲ーIsland etude(2007年台湾)」という映画を見ました。私がこちらに来る前ですけれども、結構話題になった映画よー、と何回か耳にすることがありまして、それではと。

どんな映画かと申しますと、大学卒業を前にした青年が自転車での台湾一周旅行をする、というロードムービー。台湾南部の高雄を出発し、東回りで6泊7日の一週間の旅をします。旅の途中途中でいろんな人との出会いがある。出てくる人々はみーんなやさしーい人ばかりです。
主人公の青年は聴覚障害を持ち、言葉もやや不自由です。そして、実際に演じた役者さん(イーストン・ドン 東明相)も同様の障害を持っている方です。これが映画デビューとのことですが、まあ、ところどころで見せる表情がステキです。いい顔する。なんともやさしそうな雰囲気をかもし出していて、映画のやさしい雰囲気を際立たせているというか。

この映画もちょこっと日本が出てきます。途中で原住民のおばあさま方が「サヨンの鐘」という歌を日本語で歌っている場面があります。その「サヨンの鐘」自体が日本統治時代のエピソードによるものであるのですが。

風景を写しつつ、さりげなく今の台湾が抱える社会の様相なんかも差し込んだりしています。

私自身はクリスチャンなんですが、彰化で主人公が出会う媽祖神への巡礼風景なんかは心打たれましたねー。

言葉がわからなくても台湾の風景を眺めるだけでも心癒されるような、そんな映像の連続です。
とりわけ台東、花蓮と上っていく道(花東公路)からの海の美しさ。蘇花公路の厳しいながらも美しい風景とか、必見ですよ。
この映画を監督したのは、「悲情城市」でカメラマンを務めていた方(陳懐恩)だそうで。本当に、台湾の一番美しいところを厳選しました、といった美しさです。
台東の方行きたくなった!!


記事を書こうと思って検索したら、昨年の台湾シネマコレクション2008で上映されたんですね。
台湾シネマ・コレクション2008 | 上映作品 | 練習曲

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Variety Japan