賽徳克・巴萊

いよいよ、今日日本での「海角七号」プレミア試写会ですね…。どうして見られないのにいつも気になってしまうんだろう(笑)。ここのところ時間が取りづらく、DVDをしばらく見ていないのですが、また見ようかな。


その「海角七号」の監督、魏徳聖ウェイ・ダーション*1監督が次回作として準備中なのが「賽徳克・巴萊」(セデック・バレ*2)主題を「霧社事件」に取っている映画です。



上記動画はパイロット版になります。これは「海角七号」を撮影するよりも前に製作されていたもの。


魏監督はあるときニュースで原住民の団体が抗議する姿を見て、えらく心を捕らえられたらしい。それ以来、「霧社事件」に興味を抱くようになって、あちらこちらを調べまわるようになった。いつしか「霧社事件の映画を撮ろう」との決意が固まって、それ以来ずーっとこの映画のために様々な準備を重ねてきた。手元にある「賽徳克・巴萊」脚本からのノベライズ本の折り返し部分によりますと、1999年には脚本が完成していて、優秀脚本賞を獲得しているとのこと。


なのですが、ともかく魏監督は新人の無名監督に過ぎず、構想する映画を撮るにはまるきり資金が足らない。であれば、どんな映画を作るのかイメージ作品を作ってスポンサーを募ろう、ということで制作されたのが上の動画なのだそうです。


それでもやはりなかなかスポンサーは集まらなかった。何しろこの映画、言語にこだわり「セイダッカ語」と「日本語」で全編を撮ろうとしているし、題材が堅いといえば、堅い。そして、監督自身の実績…。果たして資金を出しても、回収できるのかどうか…。そんな状況にいろいろ煩悶した結果、まずはきちんと集客できる映画が作れることを証明しなくては、と方針転換をして撮られたのが「海角七号」だったんです。
魏監督が思った以上にこの映画は成功して、無事、本願だったこの作品の撮影準備が着々と進められています。


9月からはなんと!日本語での撮影日記ブログが開設されています。
◆賽徳克・巴萊-セデック・バレ 日本語公式ブログ
http://ameblo.jp/seediqbale


ほかにも大陸版(簡体字表記のもの)も開設されていて、魏監督のこの映画にかける並々ならぬ意気込みがうかがい知れるというもの。


構想10年以上。「海角七号」の中で登場人物たちの夢が大きく花開くのだけれど、今度は魏監督の夢が確かなものとなって実現してほしい。


何より、「霧社事件」。これは日本の私たちにとっても見過ごせる題材ではございません。「海角七号」の日本でのヒットによって、「賽徳克・巴萊」も日本の皆さんに届きますように、それを今から祈っています。気が早すぎかも(笑)。


◆追記◆
レコードチャイナにこんな記事が!
ビビアン・スー先住民族役で映画出演、超低額の友情ギャラで
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=35710


どうやら記事のコピーができないようですので、リンク先でご確認ください。リンク切れご容赦。なるほど、日本語が堪能かつタイヤル族の血を引く彼女はこの映画には必要とされるキャストというのは納得!

*1:徳の字は繁体字なのですが、度々文字化けを起こすので常用漢字表記で代用します。

*2:まだ日本語の読ませ方が固まっていないらしく、紹介されるたびに「セイダッカ・バーライ」、「セデック・バライ」などとタイトルが変化しています。今日現在公式ブログタイトルがこうなっているので、あくまで(仮)ということで。