河岸留言

先日12/19(土)にここに行ってまいりました。

「河岸留言」はライブハウス。これがまた、ちょっと興味深いところにあるのです。





若者の町、西門町にある紅楼。この中です。

◆西門町 紅楼の日本語の解説
http://www.redhouse.org.tw/info_ja.html



またもや、外観でお分かりだと思うのですが、日本の統治時代に建築された建物です。かつては公営市場があったところだとか。


ライブハウス河岸留言のほかにも、コーヒーショップや、小さい劇場、アート関係のお店も入っています。広場ではよく芸能人のイベントが開催されてますね。こうして古い歴史を物語る建物*1の中に、現代の若い人たちの活力を吹き込んで、上手にマッチングさせているような。あ、横浜出身の方が「赤レンガ倉庫みたいなコンセプトだ」って言ってました。



その日は←のコンサート。はい、そこ。「またか」と言わない(笑)。「海角七号」主演の范逸臣(ファン・イーチェン)のミニライブでございます。

今年はバンドを組んで「酷愛樂団」と銘打って活動中。バックバンドに「就是帥("ハンサム"という意味)」なんて名前をつけているんですが、これがジョークにならないくらいかっこいい男の子たちばかりで、よく集めたなあ、と感心。



2時間のステージで1ドリンク付450元(約1300円)。な、なんというお安さ、と思っていたんですが、一緒に並んでいた地元ファンの若い子たちにとっては「お昼を何回か抜かなくちゃ」というくらいの贅沢なのだそうです。そうだよね……ファーストフード店のアルバイト募集を見てみると、時給95元(約300円)くらいが相場だものね……。そうした時給でも、スタバやファーストフード店のアルバイトさんはみんな英語が上手だし、サービスもすごくいいんですよ。どうしてこんなにお給料が安いんだろうねえ……


この日ライブの前に、日本でもめったにできそうにない貴重な体験をさせていただきました。
現在范逸臣くん主演の映画を撮影中なんですが、この撮影のエキストラにされてしまいました。
映画の中のライブシーンの撮影ということで、観客役です。なのですが、彼の今の曲はかなりハードなロック調のもので、「さあ、盛り上がって!」といきなり言われると、体が温まってないので、かなりつらい!楽しんでなきゃいけないのに、相当なしんどさが画面に現れていないかと心配です……

とは言え、范逸臣の歌声を間近で堪能できたのは、役得。超ラッキー(笑)。あ、撮影前に「ガンバロー」とばかりに彼にハイタッチもしてもらったし。えへへ。


本番の公演は2時間程度。ずいぶん前から「出るよー出るよー」と言っているのに、どんどん先延ばしになっている未発表の新譜の曲も何曲かご披露。本当にね……、「海角七号」に主演できたこと、彼のキャリアにもよかったことだと思います。私はもちろん「海角七号」を見て、范逸臣のことを知り、ファンになったので、かつてのことは同時体験としては知らないのですが、以前からのファンの人に聞くと、かつては「情歌(バラード)王子」*2と呼ばれて、そういう曲ばかり歌わされていたのだと。これまた、台湾の人々というのはそういうバラードが好きで、今まではあまりアップテンポの曲って流行らなかったみたい。今はずいぶん状況が変わっていますけれど。そういうマーケットのことも考えて、そういう売り出し方になったんでしょうね。だけれど、かつてのCDを今聴いていても、「ああ、もっとここの声は伸びるのに」というところで、曲調が抑え気味だから抑えたまま終わってしまう……本人も欲求不満なんじゃ?というものもたくさんあった。器用で、どんな歌でも歌いこなせてしまうことが、この時ばかりは災いしたのかも。

この映画に出て、それまでのイメージを払拭できて、もっと激しい、自分の歌いたいものを歌いたいようにやることが許されてきたようです。
ライブハウスという小さい規模の会場で、いい音響で聴く彼の歌*3は、本当に本当にすばらしいものでした。歌っている本人も、すっごく楽しそうで、気持ちよさそうだった。ああ、本当にいい時間だった。


もうすぐ、日本でも「海角七号」の上映が始まりますけれども、どうか主役、范逸臣の歌声にも皆さん注目してみてくださいね!



「河岸留言」はとっても雰囲気がよかったので、また別のアーティストでもいいから行きたい!


◆1/11追記
この日のライブの一部がアップロードされてるー!!

http://soapbox.msn.com.tw/theme_watch.aspx?code=19c10e54-f7b1-472e-abac-6590b27e621a

海角七号」を見て范逸臣(ファン・イーチェン)に惚れた、って人にもぜひ見ていただきたいですー。あえてDon't wannaで。関連画像で何曲かあるので、そちらもお楽しみあれー。

*1:ただ、今回ライブ中に大きな地震(震度4)があり、築100年以上の建物の中にいることはちょっとした恐怖でした(笑)。

*2:どうも台湾にはそう呼ばれる歌手が、彼一人ではなくたくさんいるらしいのですが。

*3:台北アリーナはみんなで盛り上がれるのは楽しいんだけど、音割れがひどかった。