茶芸館

台湾に来て目覚めたのが、お茶のおいしさ。物心ついたときからコーヒー党だった私ですが、台湾茶を飲んで以来、わざわざ茶葉を買って家で飲むという、自分としては信じられないことまでしています。


そんなおいしい台湾茶を味わうのに、雰囲気のいいまったりな茶芸館がたくさんあります。
中国語の先生には「日本太太は、本当に茶芸館好きだよねえ。台湾人の私たちは、めったに行かないのに」と笑われたりもするもんです。


先日お邪魔したのは、こちら。


◆紫藤廬
住所:台北市新生南路三段16巷1號
電話:02-2363-7375
http://wistariahouse.com/



高いビルのある大通りの中にそこだけぽつんと静かなたたずまいであります。
ママ友達のご紹介でふらふらとついていっただけだったのですが、……これは……どう見ても、旧日本の住宅だー。実はこの近辺には日本統治時代の日本式家屋がまだ結構残っているのです。


こちらはお店へ向かう途中に見かけた師範大近くの旧日本式住宅。

これらは、当時の官舎だったり教員宿舎だったりしたもので、日本人が引き上げた後、大陸から来た教員や役人の官舎としてそのまま使われていたと言います。史跡として残す遺志の強い台湾の人々ですが、畳やら屋根の素材やらが台湾とは違うので、保存もなかなか大変な様子。


そして、この紫藤廬さんも、そんな旧官舎を払い下げられて茶芸館を営んでいます。
お店の表には「海軍官舎が云々」という記述がありました。その後は大学の教員宿舎となり、70年代から80年代の民主化運動の中心のひとつとなったとのこと。ここも建物に歴史あり、の場所でした。歴史好きにはそれだけでたまらんです。



通されたのは手前のほうで、まだまだ奥にたくさん部屋があったみたい。今でも文化発信の場所として、講演会や映画の上映の機会も設けているという案内も。


メニューも和風。



いただいたランチセット。この日ブログ持ちであることがばれてしまい*1、他人のランチも撮影許可をいただきました(笑)。


   



そして、その後、お楽しみのお茶!
メニューにもたくさんの種類があって、相当悩んだ末に、包種茶と梨山高山茶をお願いいたしました。
お店の方に「ご自分たちでなさいますか?」と言われたのですが、「いやいやいや、一杯目はぜひ入れて!!」とお願い。手際がさすがにすばらしいですよ。


より高級な梨山茶は次にまわし、一杯目は包種茶から。高山茶のように葉は丸まってなく、とがったままです。

茶葉をほぐします。



湯を注いで急須を温めます。



急須を温めたお湯を湯のみに移して湯のみを温めます。
いろいろなお茶屋さんに行きましたが、台湾茶の場合、この「温め」がとても重要ということをどこでも強く言われます。



茶葉を急須に投入。



お湯を注いで、15−20秒出します。



そして、まず手前に見える小さい方の器、聞香杯のほうへお茶を注ぎます。この器から大きいほうの湯飲みにお茶を移して、空になった聞香杯の香りを楽しむのです。

とってもいい安らぐ香りがするんですよ。そして、1杯目と2杯目では香りがはっきりと変化します。



お願いしていた茶菓子が切れていたのが残念でしたが、おいしいお茶とお菓子でおしゃべりしながら、のんびりゆったりな楽しい時間。
2杯目の梨山茶の香り高く、甘いことと言ったら!!ぜひ、台湾に来てお試しあれ。


もう、これだけの贅沢な時間をいただくのは、ごくごくたまの息抜きでございます。ええ、本当にたまに、です。

*1:どこに行っても写真撮りまくってれば、ねえ……