三峡

先日、台北の郊外にある三峡という町に行ってきました。台北縣の南部、陶磁器の町で有名な鶯歌と川を挟んだ対岸にあります。
三峡はかつて淡水河を利用した水運で栄えた町。以前は川の水深はもっと深く、かなり奥の方まで大きな船が入ることができたそうです。淡水河沿いにはそういうかつての荷卸の町が結構ある。なので町も300年を越える歴史を持っているんですね。


適当な場所に車を停めて、まず目に飛び込んできたのは立派な寺廟。清水祖師廟。



入り口からすでにすばらしい彫刻の数々が。




ここも250年ほどの歴史を持つ古刹なのですが、1895年の日本の台湾接収時に、日本軍がこの廟を軍営として利用し、地元の抗日軍との戦いのなか破損してしまったそうです。その後再建されたものの、今度は戦後火事にあい、再度建て直されたのが現在のこの廟。再建には李梅樹という、地元の名士にして芸術家の尽力があったそうで、このような立派な彫刻が施されています。



祭神の清水祖師。
北宋時代、モンゴルに抵抗した英雄陳昭応のことだとか。
このあたりの古典、不勉強でよく知らない…。詳しい方はピンと来る名前なのかしら。



門前は広場になっていて、小吃のお店がいくつか出ています。

台湾の名物(?)鶏脚のお店。

この見た目に怖気づき、いまだ手を出したことがない…です。映画「渺渺」にこの鶏脚、すごく重要なアイテムとして登場します。こちらの高校生の学校帰りのおやつなんだとか。



旧三峡村役場である三峡歴史文物館。

1階が特別展示会場、2階に町の歴史が詰まってます。

名物である藍染工房の模型であるとか、かつて軽便鉄道が通ってきたいた頃の町の写真、この後訪れる老街の模型等々。ここでもやはり、たっぷり「日本時代」を目にすることになります。

隣の別棟に藍染体験工房もありました。子どもたちは少しだけ覗かせてもらって、見慣れないお仕事に興味津々。
工房の方、日本語が上手だったです。



三峡といえば、有名なのが「民権老街」。日本統治時代、大正時代の街並みがほぼそのまま残っています。とは言え、今入っているお店は現代のお土産屋さんや茶器やさんなのですが。


 



その中の何軒かをぶちぬいて(笑)、媽祖廟が置かれています。

媽祖さまは台湾で深く信仰されている海の女神さま。天上聖母とも呼ばれています。どこの町にいっても、その廟を見かけることが多いですね。



町起こしの一環なのか、地元小学生のパフォーマンスが行われていました。毎週何かしらの催しがあるようです。
この日はドラゴン・ダンス*1と太鼓のお披露目。
演者は小学校の6年生ということですが、跳んではねてかなりの腕前。途中でフォーメーション変えるなど、かなり高度。

  


うーん、すっかり感心したところで、2週間前のこの日もかなり暑く、ではまた今度とあいなりました。近くにある「客家博物園区」をまた残してしまった…。以前鶯歌をちょっと訪れたときにも心にひっかかっていたのですが。台湾客家のことが気になっていながら、なかなかその文化に触れる機会を得られずにいます。訪れることができたあかつきには、ぜひともまたこちらでご報告…したいなあ。いつになるかしら。  

*1:台湾でなんと呼ばれているのかがわかりません。シンガポールではそう呼んでました。