夏旅その6 清境


清境は「台湾のスイス」なんだそうです。…確かにさわやかな高原でした。
近辺にはたっくさんのペンションがありました。避暑に来た若い人や家族で結構なにぎわい。


清境のあたりは日本統治時代は「見晴牧場」と呼ばれる牧場だったんですよ。そこで羊の放牧などしていたようです。日本が去ったあとは国民党がこのあたり一体を退役軍人たちの経営する牧場にしたんですよね。
そして、町になぜか「雲南料理」の看板を掲げたお店がたくさんある。何でだろう…と宿泊先でパンフレットを眺めていたら、雲南でずーっと共産党に対してゲリラ戦を展開していた部隊が、1960年頃、国民党によってここへ移住させられているのですね。雲南少数民族の人も含まれているようです。このあたりは故郷の土地に似ているのかしら?
のどかな風景の中にも時代にもまれた人々の様々な人生があるのだなあ…と、台湾に暮らす人々の背景の複雑さに、またも思い馳せてしまいました。


今回のお宿はこちら
◆娜魯灣渡假山莊(サイト音楽が出ます)
http://www.naluwanvilla.com/


これまただんなさまが通販にて購入したのですが、「買一送一」ですよ。台湾では(華人が多いところでもよく見るかな)よくお店で「一個買うともう一つタダ!」というセール品があるのです。それが「買一送一」。まさか宿泊にまでそんなものがあるなんて、びっくりですよ。そんなわけで、こちらには1泊の料金で2泊できることに。


 


その日なぜかやたらに早起きをしてしまっただんなさまが夜明けを撮っておりました。奇萊山…の山々だと思います。朝焼けしている山際は。前の晩も霧が晴れてくると、地上の光に邪魔されない清境では、星がよく見えた。台湾でこんなにしみじみと星を眺めたのははじめてだったなあ。でも、やはり湿気が強いので冴え冴えという光ではないのですよね。


さて。お宿のすぐ近くには清境農場(先ほど記した退役軍人会経営の農場やホテル)が経営する「青青草原」という観光牧場がありました。





いやー、実に見晴らしがいい。なるほど。
この辺りはお茶も名産なので、茶畑もあちこちに見えます。


放牧ショーといったらいいのか… 牧羊犬が羊たちを山の上から追って走ります。

羊、速い。群れて下りてくるのは結構な迫力ですね。



むっちゃくちゃ中国語の流暢なニュージーランド人の…名前忘れちゃいました、誰だっけ?おじさまが見事な手さばきで毛刈りをみせてくれます。



あとはひろーい農場をお散歩。空気は冷たいのだけれど、日差しは刺すように痛いし、光度が強くてまぶしい。高地だなあ。


羊のほかには山羊もたくさんいて、子どもたちは草を抜いてえさやりに勤しんでました。
ここにも羊乳製品がたくさんあったけど、もうカンベン。


もう少し食べるところや、お茶のみできるところがあればいいのに。どうやら、それはここからさらに下ったところにある経営のホテルの中でどうぞ、ということらしい。シャトルバスが出ていたし。


のんびりまったりすごしたあとは、ママが一度自分の目で見たい、と思っていたところに連れて行ってもらいます。